2014年 クレマチスの会


第37回クレマチスの会

  

テーマ「子どもとともに遺されたご家族へのグリーフ・サポート

 

日 時 2014年4月12日(土)午後6時30分~
講 師 石井千賀子氏(夫婦・家族療法家)

  

〈講師プロフィール〉

青山学院大学卒。国立精神神経センター 精神保健研究所にて家族療法研修終了後、米国バトラー大学大学院にて修士号(夫婦・家族療法専攻)を取得。現在、家族療法の臨床をTELLカウンセリングで、教育をルーテル学院大学と東京女子大学大学院で行う。


グリーフ・サポートに関しては、米国インディアナポリス市セントビンサン・ホスピスで3年間子どものサポート・グループのファシリテーターを務めた後、東京においてルーテル学院大学で「だいじな人をなくした子どもの集まり」のファシリテーターおよび研修担当として13年間携わった。現在グリーフ・カウンセリングのほか、JDGS(災害グリーフサポート)プロジェクトを通して支援者支援を行う。

 

著書

「ミドルエイジの問題:家族療法の視点から」(共著)キリスト新聞社2012

「大事な人を亡くしたご家族へ」(共著)ルーテル学院大学2005

「思いっきり会いたい:大事な人を亡くしたあなたへ」ルーテル学院大学2005
「家族療法テキストブック」(分担執筆)担当部分表題「自死と家族」金剛出版2013

 

論文:

「自死による曖昧な喪失を体験した子どもと家族へのケア」(共著)精神療法、38(4).2012

 

 

〈講師より>

死別・喪失を経験されている方々に会い、グリーフ・プロセスに伴走させていただくことがあります。お一人であっても、ご家族の関係性という側面からお話を伺い、グリーフの奥行を理解するように努めております。自死は一見個人的な行為のように見受けられますが、家族に与える影響は計り知れず、しかも目に見えない形で長期に渡ることを痛感します。たとえば、子どもとともに遺された場合、幼い子どもが家族の変化に合わせて機能していく様子が見られることがあります。そのような様子をねぎらいながら、遺されたご家族全体に目を向け、家族のなかに秘められている力に注目していくことがあります。ご家族がお互いのグリーフ表現を受けとめながら、その家族の発達段階にそった歩み方をされるようにと願っております。

 


第38回クレマチスの会

  

テーマ「犯罪被害者支援の実際


日 時 2014年6月8日(土)午後6時30分~
講 師 佐藤真奈美氏(被害者支援都民センター 犯罪被害相談員))

 

〈講師プロフィール〉

2007年8月 被害者支援都民センターボランティア登録
2008年4月 被害者支援都民センター非常勤職員 直接支援員
2011年4月 同 犯罪被害相談員
2013年4月 大正大学大学院人間学研究科臨床心理学専攻

 

〈講師より>

私の所属する公益社団法人 被害者支援都民センターの活動の紹介、また犯罪被害者のおかれる現状及び支援活動について、活動の中で日々感じている被害者や被害者ご遺族に対する気持ちを含めてお話できればと思います。

  

 

第39回クレマチスの会

  

「トーキング・カフェ

 

日 時 2014年8月10日(日)午後2時00分~


参加者お一人おひとりから普段考えていることをご自由にお話いただきます。いろいろな方の話を聞いて視野を広げていくことが目的です。


○トーキングスティックを持った方が話しをして、その他の方はその話を静かに聞きます。

○原則として自分のことを話します。他の人の批判や中傷はご遠慮ください。

○グリーフケアサポートプラザの会員でない方も参加できます。

 



第40回クレマチスの会
日時: 2014年10月12日(日)午後2:00~
テーマ: 哲学と共感性2-寅さんと『ノルウェイの森』(昨年の講演の続き)


講師: 野尻英一氏(自治医科大学准教授) 

場所: 本会事務局 
参加費: 500円(会員・非会員問わず)

  

〈講師プロフィール〉

 1970年生まれ。早稲田大学第一文学部哲学科卒、同大学院社会科学研究科博士後期課程(地球社会論専攻)修了。博士(学術)。早稲田大学社会科学部助手、同法学部非常勤講師、同社会科学部助教を経てフルブライト研究員/シカゴ大学客員研究員。専門は哲学、倫理学。とくにドイツ観念論。2011年度日本ヘーゲル学会研究奨励賞受賞。現在、自治医科大学准教授(英語・哲学)。
主な出版:野尻英一『意識と生命―ヘーゲル『精神現象学』における有機体と「地」のエレメントをめぐる考察』社会評論社(2010年)。翻訳:モイシェ・ポストン『時間・労働・支配―マルクス理論の新地平』筑摩書房、2012年(翻訳)。「美と弁証法」『エステティークVol。1特集:美』日本美学研究所、2014年。

<講師からの一言> 

グリーフケアの場面で、人間のもつ「共感」の力は、大きな役割を果たします。けれども、この「共感」の力は、西欧の歴史の中では、おもてだって扱われてきませんでした。哲学の盲点が「共感」だったと言ってもよいでしょう。「真理」を探究する哲学の課題ではないと考えられてきたのです。
しかし今日、現代社会の講座王の変化、現代文化の潮流、あるいは精神病理(自閉症)や脳科学の研究など、さまざまな分野で「共感」への注目が始まっています。講師は、すでに一0年ほど前から「共感性」のはたらきに注目し、それを軸に人間理解を深める哲学理論の構築を進めてきました。共感性は、実はたんなる感情の問題でもなければ、たんなる対人関係の問題にもとどまりません。それは、われわれの世界認識や社会全体の構造を根底において形成している「力」です。またダークサイドもあり、その働きのもたらすものはけっしてプラスの効果ばかりでもありません。
今回の講演では、昨年度行った「哲学と共感性-ヘーゲルと寅さんから考える」の続編として、もう一歩進み、日本社会における時代の変と、共感性のポジションの変容について扱います。そのことによって、社会構造の変化とわれわれの心的構成のあり方との関係について考えるきっかけを得ます。山田洋次監督『男はつらいよ』や村上春樹『ノルウェイの森』など、映画や文学作品を織り交ぜた講義となります。
なお、前回講義を聞いていない方にもなるべく配慮し、前回内容の復習も入れた構成とする予定です。